健康被害の原因を指摘
北海道がんセンター 西尾医師が講演

 医療九条の会・北海道は25日、長年放射線治療にかかわってきた北海道がんセンター名誉院長の西尾正道医師を講師に「多重複合汚染による生活環境病の時代への警告」と題する講演会をおこない、70人が参加しました。
 西尾医師は、核兵器開発や原子力政策による放射線や農薬、化学物質などの有害物質が健康被害をうみ出していると指摘。政府は1996年に成人病を「生活習慣病」と呼称を変更して病気の要因が個人の生活習慣によるものと思わせていると批判し、放射線などによる健康被害についての研究結果を紹介しました。
 世界での核実験による人工放射性降下物の推移と、がんによる死亡率の関連性をグラフなどを使って説明し、がんによる年齢別の死亡順位がこの40年間で約20歳も若年化していると指摘しました。
 また、セシウムやトリチウムなどの放射性微粒子による内部被ばくの危険性を紹介。日本政府が福島原発事故の汚染水の浄化処理で残ったトリチウムを「エネルギーが低いため影響は少ない」として海洋に廃棄しようとしている動きを厳しく批判しました。
 参加者から、「放射線などによる身体への影響を初めて聞いた。恐ろしい。健康を守るとりくむが必要」と感想が寄せられました。

・開催チラシ